E231系国府津車両センター車は、2004/1に東海道線首都圏エリアの113系置き換え用に登場した電車です。2004/10/16から本格的な営業運転を開始し、東海道線首都圏エリアの113系を順次置き換えてきました。基本編成で完全10連で新製導入されたのはK-01編成の1本のみで、K-02編成以降の41本は8両で落成しましたが、これにはある理由がありました。初回は10両・8両各1本と付属編成5連2本の計28本が落成しました。何だか半端な車両数なのですが、その半端な車両数にもきちんと理由があったのです。
ここから、E231系国府津車の基本編成が2本目以降8両で落成した最大の理由がわかるかと思います。2004/10/16ダイヤ改正では湘南新宿ラインが大幅に増発されることになり、関連することは東海道線と横須賀線では普通グリーン車サービスが提供されていたこと、相互直通運転する東北本線(宇都宮線)と高崎線内でも普通グリーン車の営業が求められていたことから、小山車両センター所属のE231系基本編成41本に2階建てグリーン車2両を組み込むことになりました。ここで捻出されたサハ2両は、E231系国府津車の基本編成に組み込まれることになりました。捻出されたのはすべてロングシート車ですが、国府津車では着席サービス向上のためセミクロスシート車を2両増やすことになり、小山車E231系と編成統一するためにはサハのセミクロスシート化改造や便所取付が発生してしまうことから、E231系国府津車では基本編成のクハE231(10号車)に便所を設置するとともにサハの組み込み位置をずらすことになりました。
簡潔に言えば、E231系国府津車の基本編成が2本目以降8両で落成した理由は、湘南新宿ライン大幅増発で東北本線(宇都宮線)と高崎線内でも普通グリーン車の営業が求められたため、E231系小山車にグリーン車2両を組み込むことでロングシートのサハ2両が捻出され、そのサハ2両を国府津車の基本編成2本目以降に組み込むということですね。
▲K-01編成。E231系国府津車の基本編成で10両完全新造導入はこの1本のみ。
▲K-02編成。この編成以降は捻出された小山車のサハ2両を組み込むため8両で落成しました。
※参考文献:交友社 鉄道ファン2005年1月号「JR東日本 首都圏車両運用プロジェクト6」