2021/1現在、JR東日本では国鉄形特急電車の185系が東海道線首都圏エリアの特急「踊り子」や湘南ライナーで活躍していますが、2021/3ダイヤ改正にて引退することが決まりました。首都圏エリアで現役の定期列車で活躍する最後の国鉄形特急電車ではないでしょうか。
185系電車は1981年に登場、東海道線向けに153系の置き換え用として導入され、特急用と通勤用に共用可能な車両として製造されました。1982年には高崎線などで使用されていた165系を置き換えるため、耐寒耐雪装備や横軽対策を施した仕様の車両が導入されました。JRへの継承後、1995年から2002年にかけて全車が転換クロスシートから回転クロスシートへの変更などリニューアルが行われ、特急列車やライナー、普通列車に運用されてきました。一方、普通列車運用は2004年に高崎線上り、2013年に東海道線首都圏エリア下り列車にそれぞれ終了しています。デッキ付き2扉構造で乗降に時間がかかることがネックだったのでしょう。
2013年改正では、旧田町車両センターの車両が大宮総合車両センターに転属、7連車はB編成とOM編成が共通で運用されるようになりました。2014年改正では高崎線系統の特急が651系に置き換えられたほか、最後まで残った伊東線普通運用も消滅し、この頃から編成単位での廃車が開始され、185系の淘汰が始まったことになります。
2019/3には「はまかいじ」運用が消滅し、現在定期列車では東海道線での特急「踊り子」や「湘南ライナー」「ホームライナー小田原」のみになっています。しかし、2020年3月改正から「踊り子」にE257系2000番台の投入が開始され、2021年3月改正では踊り子の全列車がE257系に統一されることになりました。さらに通勤特急「湘南」の運用開始に伴い、「湘南ライナー」「ホームライナー小田原」も廃止されるため、2021年3月改正をもって185系の定期運用は消滅することになったのです。これにより、JR東日本管内で定期運用される特急列車はJR発足後の車両に統一されることになります。
185系の定期運用離脱後は、臨時列車などで運用されることになっていますが、2022年に185系全車両が廃車されることが発表されています。もし仮に「ムーンライトながら」が復活した場合、185系全廃後はどの車両が使用されるのか、あるいはE257系が使用されるのかなど気になるところです。
写真は185系電車の現在の姿で、全車が緑の斜めストライプになっています。現在定期列車で残っている「踊り子」は2021年3月にはE257系に統一され、同時に「湘南ライナー」「ホームライナー小田原」も廃止されるため185系の定期運用は消滅へ・・・。
※記事は、主にWikipediaを参考に書いています。