神奈中バスこと神奈川中央交通は、バス専業としては日本最大の事業者とあって1年あたりの導入車両数が多く、「神奈中仕様」とも言える特注仕様がいくつかあります。その中から、今回はかつてのツーステップ(標準床)車両の多くに装備されていた「新ステップ」について紹介しましょう。さて、その「新ステップ」は果たしでどんなステップなのでしょうか。
神奈中バスの新ステップ車は1992/9/25から試用を開始、1994~2000年にかけて新製導入された標準床(ツーステップ)車両には全て前扉に極東開発工業製の可動式ステップを設置した「新ステップ車」になりました。つまり「新ステップ」というのは、前扉に装備された可動式のステップなのです。これはさらに床の低い車両の導入や観光バスなどで見られる補助ステップでは、新興住宅地に多い急坂では車体と路面の接触の可能性があったため、乗降性の改善策として、三菱自動車工業(当時)・新呉羽自動車工業・極東開発工業との共同開発により導入されました。乗降を少しでも楽にするために開発されたともいわれています。
写真は「新ステップ」を装備した2000年導入のKL-MP33JM。1994年から2000年に導入された神奈中のツーステ車には標準装備されていました。前扉右横に「新ステップ車」ステッカーがあります。